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    1の2.実際の事件に当てはめると?

    1の2.実際の事件に当てはめると?
    (1)グーグルアースの3D航空写真(係争地周辺)
      3Dで真上からではなく横から見たようにして起伏の状況を分かり易くしています。

    earth4-1

    (2)色分けによる説明
      上の写真を色分けして解説すると次のようになります。

    earthweb4-1

    現地は①南の水路(画面左水色)と②北の崖(黄色)に挟まれた区画で③公道(赤色)が東西を画している。

    (3)新旧公図の表示
      この地形が旧公図では次のようになります。旧公図-15

    旧公図と現地①②③のポイントがピタリと重なる状態であり、図面の正確性が非常に高いといえます。

    黄色線で囲まれた地番(498番地)は色分けされた高低差20mの崖地を示しています。
    前のグーグル航空写真と見比べると、一目で「この崖の所だけは実測していない」ことが分かります。
    航空写真に現れた崖の斜面の面積は、5~6倍も広いことが明らかだからです。
    これは、旧公図が租税徴収の目的で作成され、土地の収益性の低い山林(崖地の山林なら尚更)は
    実測価値がないとされたためで、セオリー通りに作図されているのです。

    次は判決全文を掲載します。

    1.そもそも境界訴訟は、どのようなルールの下で決まる?

    1.そもそも境界鑑定とはどのようなルールの下になされるのでしょうか?
     境界鑑定人のための実務研修テキストとして次のものが使われています。
     
    1-5 2-5  

    2.これによると、以下のようになる。
    (1)現在公図の位置付け
    7-1

    すなわち、昭和41年の国土調査(現在公図)は境界創設効果はない。
    この原則は何度も再言され、議論の余地は無い。
    3-1

    では「明治の初期に境界を確定した」というのは何故なのか?それ以前はどうだったのか?
     江戸時代までは領主、地主(上土権)、小作人(下土権)という重層的な権利だったのである。
    いわゆる封建制度である。
    それが明治期に入り、国に対して「租税を払う地主」を所有者として独立した「所有権」が創設された。

    (2)現在公図が「真の境界ではない」として、明治初期の境界はどのように認識できるのでしょうか?

    6-1
    ここから縮尺が明らかでもそのまま適用されないことが分かる。
    10-1

    8-1

    (3)もっとも旧公図は、次のような特徴がある。
    18-11

     すなわち、山林(平地・起伏地も含む)は測量されていない可能性が高いのである。
    その理由として、土地への課税(地租)が賃貸価格(収益性に着目)に対してなされていたからである。
     太閤検地が年貢を徴収するためになされたと小学校社会で習うが、それと同じである。
     税金徴収上、意味の低い山林の測量をとりあえず割愛したのは当然である。
     「収入のない山林」とは税収のないという意味である。

    11-10 15-11

    (4)現在の地形と旧公図を重ねる場合、何処に着目すればよいのでしょうか?

    5-1

    5-25

    以上を踏まえ、実際に本件の地形と旧公図を重ねていくことになります。
    その前に、実際の裁判鑑定・判決がどの程度厳密になされているかの例を挙げておきます。

    19-1

     鑑定書の一部ですが、数ミリの齟齬はよいが、2.7cmの齟齬は明らかな杭の移動と判断されています。
     現在の裁判実務の水準(相場)がこのあたりにあるといえます。


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